こんにちは、いとまさです^^

2021年6月に自衛隊を退職してから、10ヶ月が経ちます。

退職の際には、休みもボーナスもフルで活用させてもらったこともあり、今でも自衛隊には感謝してます。

ただ、僕のように途中で自衛隊を辞めた人の中には、

クズの集まりでありパワハラだらけの情けない自衛隊の正体

(一部省略)自衛隊が優れている点は何一つ無いのが現実。貧弱で遅れた装備設備、低い練度、意識モラルの低さ、学を軽視する組織風土、人的質の低さ等。

出典:海上自衛隊を辞めました!

と、俗に言うアンチ自衛隊の人もいて、ネットで検索すると、このようなアンチ自衛隊意見が結構多いです。

この記事を読んでくれているあなたも、以前このようなアンチ自衛隊意見を見聞きし、

ヤギ子

”自衛隊はクズの集まり”って叩かれてたけど、本当にそうなの?

と、「本当に自衛隊はクズの集まりなのか?」また、「なぜクズの集まりと言われるのか?」が気になっていると思います。

結論から言うと、

自衛隊にも悪いところはあるけど、クズの集まりは言い過ぎ

と、いうのが僕の意見です。

というわけで、今回の記事では、元自衛隊である自分の経験や実際のデータを参考にして、このことについて僕の考えを詳しくまとめました。

あくまで、個人の意見ですが、なぜアンチが自衛隊を”クズの集まり”と言っているか分かり、あなた自身が自衛隊をクズの集まりかどうか判断する材料になると思います。

ぜひ最後まで読んで、参考にしてください^^

この記事で分かること

・自衛隊がクズの集まりと言われる理由

・”自衛隊はクズの集まり”なのか?

・自衛隊をクズの集まりと言う人について

自衛隊がクズの集まりと言われる理由は、職場の文化や環境、隊員の不祥事。

自衛隊がクズの集まりと言われる理由は、職場の文化や環境、隊員の不祥事。

自衛隊がクズの集まりと言われる時に、よく理由として挙げられるのが以下の3つです。

① 自衛隊に残る体育会系な文化

② 人間を腐らせる職場環境

③ 隊員の不祥事

たしかに、未だに自衛隊には、半強制的に参加させられる宴会過激な指導年功序列といった、体育会系な文化が残っています。

やはり自衛隊という組織上、外の社会と比べて、その指導は厳しいです。

また、基本的には年功序列の組織であるため、自分より仕事ができない(と、本人が認識している)人から偉そうに指図されることも普通です。

このような体育会系の文化に嫌悪感を感じる人からしたら、このような文化の残っている組織自体、また、その文化に対応してる人達をクズの集まりに感じると思います。

また、自衛隊の仕事内容は一般的な企業と違い、利益を追求するものではないので、基本的に自分の頑張りや努力は、給料に影響を与えません。

このように、頑張りや努力が報われず頑張った人が損をするため人のやる気を失くし、人間を腐らせる職場環境だと言われます。

「頑張っても頑張らなくても給料が同じなら、頑張るだけ損。」

このような考えに基づき、長い時間をかけて、最低限の仕事だけをしている隊員もおり、そのような隊員の仕事には生産性などありません。

もちろん、彼らは、プライベートの時間をスキルアップに割くこともないです。

(仕事に役に立つスキルを身につけても、何も報われないので。)

その結果、プライベートの時間は全て、ギャンブルやお酒など、非生産的な習慣にお金や時間を費やしてしまうという人もいます。

このような、人間を腐らせる職場環境も、自衛隊がクズの集まりと呼ばれる理由の1つです。

さいごに、自衛隊員の不祥事が取り上げられ、自衛隊がクズの集まりと批判されることも多々あります。

テレビやネットのニュースによって、パワハラやわいせつ行為など、自衛隊員の不祥事が明るみに出ることも多いです。

例えば、次のニュースなど。

週1回ペース…? 自衛官の「わいせつ事件」があまりに多すぎる

あまりの綱紀の乱れぶりが気になり、最近の事件を調べてみると、年が明けて2か月余の間に、自衛隊ではすでに7件ものわいせつ事件が発生・発覚したことがわかった。

出典:現代ビジネス

このようなニュースを見た人が、「自衛隊ってヤバいんじゃない?」と思うのも当たり前です。

ここまで書いてきたように、自衛隊には

① 自衛隊に残る体育会系な文化

② 人間を腐らせる職場環境

③ 隊員の不祥事

といった悪いところがあり、アンチ自衛隊の人に”自衛隊はクズの集まり”と言われる、主な理由はこれらです。

たしかに、このうちの一部は僕も同感で、自衛隊のデメリットとして【自衛隊のメリット・デメリット】の記事でまとめています。

しかし、全員が過度な体育会系で、人間が腐っていて、不祥事を起こすのかと言われたら、全く違います。

このような、いわゆるクズと言われる人は、ほんの一部ですよ。

クズの集まりは言い過ぎ。ほとんどの人は立派に頑張っている。

クズの集まりは言い過ぎ。ほとんどの人は立派に頑張っている。

出典:陸上自衛隊HP

上記のとおり、自衛隊にも悪いところがあり、また、自衛官の中にはクズと呼ばれても仕方ない人がいるのも事実です。

ただ、そんな人は自衛隊の中でもごく一部の人で、

ほとんどの人が立派に頑張っており、自衛隊をクズの集まりというのは言い過ぎです。

自衛隊には体育会系の文化が残ってるとはいえ、最近はパワハラ防止活動などもあり、今では過剰な指導や理不尽な命令をされることは、ほとんどありません。

というか!

そもそも自衛隊自体、有事に対応するための組織であり、他の一般企業と違って、多少の理不尽や厳しさ(=体育会系)も、当たり前じゃないでしょうか?

僕のような意見もありますが、今では自衛隊全体として、このような職場の雰囲気をなくそうとしています。

そのため、ほとんどの人が、この自衛隊の組織としての本質と、イチ公務員としての立場のバランスを上手に取り、厳しくも度を越さないように部下と接しています。

一部、過剰な指導をする人がいるのも事実です。

ただ、そのような人は本当に少なく、また時代の流れと共にどんどん減ってきています。

また、”人のやる気を失くし、人間を腐らせる職場環境”という点についても、結局はその人次第です。

たしかに、短期的に見ると、自衛隊で人よりも仕事を頑張ったからといって、その頑張りが直接的に給料に影響を与えることはありません。

しかし、長期目線で見れば、頑張って部外内の試験に合格し昇給することは可能ですし、お金以外の頑張る理由を見つけることも可能です。

・自衛隊の任務そのもの

・自分の受け持つ専門職種に対する理解を深めること

・尊敬される人間でいること

・部下指導

など

このような、自分の仕事に対するポリシーやお金以外の頑張る理由を見つけて、自分の仕事に熱心に取り組んでいる人は多くいます。

いとまさ

僕のいた部隊でも、先輩・後輩問わず、自分の技量や知識に誇りを持って、自己研鑽に励む人たちは多くいました。

自衛隊が、頑張りが報われにくい環境であることは事実ですが、それにより全員が腐り、クズになるわけではありません。

クズと立派に頑張っている人なら、圧倒的に立派に頑張っている人の方が多いです。

さいごに、自衛隊の不祥事を取り上げて自衛隊をクズの集まりと決めつけるのは、偏った思い込みです。

よく自衛官が起こした不祥事が、テレビやインターネットのニュースで取り上げられていますが、これら不祥事の実際の発生率を知っていますか?

自衛隊には陸・海・空、合わせて約27万の自衛隊員がいますが、その中で何人(何%)が不祥事を起こしてるのでしょうか?

また、その比率は世間一般と比べて高いのでしょうか?

結論から言うと、殺人や強盗、強姦といった凶悪犯罪の発生率は0.004〜0.008%であり、これは日本全体と同じくらいです。

しかし、自衛隊員の交通法違反などの軽犯罪での逮捕率は0.048%と、日本全体の逮捕率1.1%の23分の1の比率でしかありません。

自衛隊員の犯罪率を調べたら…「品行方正」ぶりが明らかに

(一部省略)

1 自衛隊員の刑法犯率は日本在住者の1/23!!

2 凶悪犯罪は普通の日本人並み

ということです。根っこから悪い奴は一定比率で存在するわけで、ある意味仕方ない気もいたしますが、ほとんどの自衛隊員は品行方正で、日本のために頑張っていらっしゃる。防衛最前線で働いているので高い規律と自制が働いている方々と思います。

出典:livedoor NEWS

自衛隊は国家公務員なので、その不祥事がメディアやアンチ自衛隊により、執拗に取り上げられる傾向にあります。

しかし、その発生率を見ると日本全体より低く、不祥事を理由に自衛隊をクズの集まりと言うなら、日本自体がクズの集まりになってしまいます。

このように、自衛隊の中でクズに当てはまる人はごく一部で、ほとんどの人が頑張っており、自衛隊をクズの集まりというのは言い過ぎです。

自衛隊をクズの集まりと言うアンチは、ネガティブな本能(思い込み)に囚われてる。

自衛隊をクズの集まりと言うアンチは、ネガティブな本能(思い込み)に囚われてる。

ここまで、「自衛隊にも悪いところはあるけど、クズの集まりは言い過ぎ」だと書いてきました。

しかしなぜ、アンチ自衛隊の人たちは、”自衛隊はクズの集まり”といった事実とは異なる、大げさな表現を使うのでしょうか?

その理由は、

自衛隊に対して悪い印象を持つ人たちは、ネガティブな本能(思い込み)に囚われてるから

だと思います。

人間には、”1つの物事が全てのものに当てはまる”と考えてしまうパターン化本能など、ネガティブな思い込みを生む、多くの本能があります。

▷パターン化本能・・”1つの物事が全てのものに当てはまる”と考えてしまう。

▷過大視点本能・・目の前の事象が1番重要だと感じてしまう。

▷単純化本能・・さまざまな問題に対し、1つの原因と1つの答えを求めてしまう。

▷犯人探し本能・・誰かに責任を求めてしまう。

など

いとまさ

この本能(思い込み)は、名著「ファクトフルネス」で紹介されてます。

本当にオススメの本なので、ぜひ読んでみてください!

自らの少ない経験や、偏った知識・データだけで自衛隊を極端に批判する人は、まさにこれらの本能に囚われていると感じます。

例えば、

自分の不満や感情のみに注目し(過大視本能

理不尽な出来事・悪いニュースが、自衛隊全体に当てはまると思い込んだり(パターン化本能

複雑な理由があり下された決断や命令に対し、単純に間違っている決めつけ(単純化本能

上司や他の隊員を悪者としたり(犯人探し本能

と、ネガティブな思い込みにより、彼らの考えには偏りが生じているのではないでしょうか。

また、これらの本能に加えて、人間には”他人を批判することで、自分を正当化する”(暗黙の強化)という習性もあります。

自衛隊をクズの集まりと言うアンチは、このような本能や習性に囚われており、一部の悪い部分を見て、それが自衛隊の全てと考えているのだと思います。

しかし、これらの本能や習性に囚われ見えなくなっているだけで、多くの自衛隊員はクズなんかではなく、立派に頑張ってますよ。

ボーナストラック:現役自衛官の声

今回の記事を書くにあたって、現役自衛官の友達と話をしました。

彼がどうしても「俺の意見を載せてくれ」と言うので、その意見の一部をここに書いておきます。

現役自衛官

自衛隊がキツくて続かなかった自分を正当化するために、自衛隊をクズの集まり呼ばわりするのは良くない。

多少なりともお世話になった組織をクズの集まり呼ばわりできる人の方が、クズなのでは?

自衛隊で上手くやれなかったからといって、自衛隊を極端に批判するような奴は、どこに行っても上手くやれないと思う。

まだまだ色々怒ってましたが、この辺で。笑

まとめ

この記事のまとめ

・自衛隊がクズの集まりと言われる理由は、職場の文化や環境、隊員の不祥事。

・自衛隊はクズの集まりは言い過ぎ。ほとんどの人は立派に頑張っている。

・自衛隊をクズの集まりと言うアンチは、ネガティブな本能(思い込み)に囚われてる。

・現役自衛官怒ってます!

以上が、自衛隊はクズの集まりという意見に対する、僕の考えです。

もちろん、この僕の意見も、アンチの人の意見と同様に個人的な見解でしかありません。

最終的にはあなた自身で、このような意見やデータを参考にして、ネガティブな本能や習性に囚われずに判断してください^^


自衛隊のメリット・デメリットは、下の記事でまとめてるので参考にしてください^^